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歯周病学講座

歯ブラシ以外の化学的プラークコントロールを正確に知りましょう 2016.01.09

本講座で以前にも述べましたように、全部の歯の表面から生きた細菌の集団(デンタルプラーク)を取り除き、虫歯や歯周病を防ぐには現在のところ、主として物理的な方法である歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどに頼らざるを得ません。しかしなが ら、これらの道具を毎日、毎食後、正しく使いこなしプラークを除去するにはかなりの時間と修練が必要です。

このため、多くの人々は薬のようなもの(化学的方法)だけでプラークを除去出来ればと期待していると思います。実際、歯科関係者の方々もこれらの課題に立ち向かい、懸命の努力を重ねています。そこで、次回からはプラークを化学的に除去するための現状とその応用および展望について述べます。

 

野口俊英

歯周外科再生療法で現在、最もよく用いられている方法
ーエナメルマトリックス蛋白を用いる方法ー 2015.10.16

前回までは歯周病により破壊された歯周組織を健康な状態と同じ構造で治す歯周外科再生療法の概念、および特殊なメンブレン(吸収性、非吸収性)を用いた再生療法について述べました。今回は、これらの方法とは全く異なる発想で開発されたエナメルマトリッ クス蛋白(商品名、EMD Enamel Matrix Derivative)を用いる再生療法について述べます。この蛋白質は1976年にSlavkinにより発見された歯の発生に関する重要な蛋白質です。歯の表面に存在するエナメル質が作られる時にエナメル芽細胞により分泌されますが、歯の根の部分が作られる時にも形成されます。そして、歯の根の部分の成長する過程で、このエナメルマトリックス蛋白が歯周組織の再生に重要な役割を果たすセメント質の形成に関与することが明らかになりました。このエナメルマトリックス蛋白は健康なヒトの歯から採取することは不可能ですので、生後約六カ月齢の幼若ブタの歯胚(歯が発生する初期の組織)から抽出され、精製されました。EMDは様々な生物学的作用を有していますが、その中でも歯周組織を構成する各種の細胞(歯肉線維芽細 胞、セメント芽細胞、骨芽細胞など)に対する細胞増殖作用や細胞接着作用などが知られています。EMDはメンブレンを用いるGTR法と比較して術式が容易であることもあり広く普及しています。また、EMDとGTR法とを比較した研究では両者に差が無いことも報告されています。

 

野口俊英

歯周外科手術に用いる吸収性メンブレンの特徴 2015.10.02

前回は歯周外科の再生療法に用いる非吸収性メンブレンについて述べました。歯周外科再生療法の初期の時代は非吸収性メンブレンしか無く、良く用いられていました。しかし、手術の術式が複雑であることと、2回手術を行わなければならないということから、販売が中止と なり現在では吸収性メンブレンが主に用いられています。吸収性メンブレンの最大の利点は手術後、メンブレンが吸収するので手術が1回ですむことです。欠点としてはメンブレンが吸収される時期を確認出来ないことと、非吸収性メンブレンのように再生される予定の組織を直視し得ないことです。しかしながら、非吸収性メンブレンと吸収性メンブレンとの両者を比較した研究ではその効果に差が無いことが明らかにされています。

 

 

野口俊英

特殊なメンブレンを用いる歯周組織再生療法(GTR法)の利点と欠点 2015.09.25

前回は歯周外科療法の1つであるGTR法がどのような方法であるかについて述べました。そこで今回は特殊な非吸収性メンブレンを用いるGTR法の特徴について述べます。GTR法に用いるメンブレンには非吸収性と吸収性の2種類があります。非吸収性メンブレンを用いる方法は手術の際に高度な術式を必要としますが、確実な歯周組織の再生を確認することが出来ます。その理由はメンブレンが非吸収性であるため、それを取りだすための2回目の手術を行う必要があり、その際に再生の源となる組織を確認することが可能だからです。2回目の手術は最初 の手術から約1ヶ月後に行います。つまり、非吸収性メンブレンを用いるGTR法は手術を2回行う必要がありますが、再生が確実に生じているかをcheck出来るという利点を有しているということになります。なお、2回目の手術はメンブレンを除去するだけなので短時間で終了します。ただし、現在、臨床で利用可能なメンブレンは吸収性のものだけですので、次回に吸収性メンブレンの特徴について述べます。

 

 

野口俊英

歯周治療における再生療法 その1 GTR法 2015.09.18

現在、進行した歯周炎に対する再生療法としましては、前回、述べましたようにGTR法とエナメルマトリックス蛋白を用いる方法との2つがあります。今回はそのうちのGTR法について述べます。GTR法は1980年代、北欧において開発された方法であり、これまでの歯周外科では得られなかった歯周組織の再生を実現した画期的な方法でした。わが国では1992年より当時の厚生省から人への応用が認可されています。その原理は歯周組織の1つである歯肉上皮と歯面との付着(上皮性付着)を最小限に抑え、特殊なメンブレンを用いて形成されたスペースに歯根膜組織と骨組織を誘導して歯肉結合組織性の付着と骨の新生を得る、すなわち、健康な歯周組織と同じ構造で歯周炎を治 癒させるというものです。メンブレンには非吸収性と吸収性とがあり、前者はePTFE(expanded polytetrafluoroethelene),後者には合成高分子材料の乳酸・グリコール酸共重合体と天然高分子材料であるコラーゲンが用いられています。いずれのメンブレンを用いても良好な結果が得られていますが、手術の前にプラークコントロールの徹底や病気の原因となった因子を十分に取り除いておくことが重要です。

 

 

野口俊英

歯周治療における再生療法って何ですか 2015.09.04

前回は進行した歯周炎の深い歯周ポケットに対する一般的な手術法(フラップオペレーション F0p) について述べました。歯周外科療法にはその他にもいろいろな手術法がありますが、今回はその中の「再生療法」について述べます。まず、歯周外科に再生療法が導入された理由ですが、それはFopよりも、より健康な歯周組織に近い状態での治り方を期待したからです。前回述べたように、Fopでも歯周ポケットを失くす事は可能ですが、その治り方を見てみると健康な歯周組織と同じ構造で治ることは期待できませんでした。そこで、いろいろな研究がおこなわれ、現在、認可されている方法としては特殊なメンブレンを用いたGTR(Guided Tissue Regeneration)法と、エナメルマトリックス蛋白という物質を用いた方法です。いずれの方法も歯肉と歯の根面とのより強い結合を求めて行う手術法ですが、詳細は次回から述べさせてもらいます。

 

野口俊英

深い歯周ポケットはどのようにして治すのですか? 2015.08.31

前回、歯周ポケットを減少させる方法について述べましたが、それでもポケットが残ってしまうような深い歯周ポケットが存在する場合があります。その原因はポケットの中の汚れた歯の根の表面をきれいにする道具(スケーラー)がポケットの深い部分にまで届かなくなってしまう場合です。このような場合に行うのが歯周外科という手術です。手術の原理としては汚れた 歯の根の部分にスケーラーが届くように歯茎(歯肉)を歯の根の部分や骨から剥がします。勿論、麻酔をして行うので痛みはありません。その後、直接、目で見えるようになった汚れた歯の根の部分をスケーラーで綺麗に仕上げます。同時に炎症のある歯茎(歯肉)を取り除き健康な面を出します。それから、剥がした歯肉を元の位置に戻して縫い合わせます(縫合)。このような手術法をフラップ手術(Flap Operation )と言い、多くの歯科医院で行われています。この手術法が成功すれば深い歯周ポケットもなくなり歯周病が治る事になります。自分自身の歯を残すための一般的に行われる処置ですが、体調、持病の有無なども考慮し、手術するかどうかは歯科医と良く相談してください。

 

 

野口俊英

歯周ポケットはどのようにして減少させるのですか? 2015.08.14

歯周炎の最大の原因は歯周ポケットの形成とその中に存在する歯肉縁下プラークです。これまでは歯肉縁下プラークをコントロールする方法について述べてきましたが、今回からは歯周ポケットを減少させるための方法について述べます。一度形成された歯周ポケットを減少させて健康な時と同じ程度の深さに戻すことは歯周治療の中で最も重要な 処置になります。歯周ポケットが存在する限りいくら歯肉縁下プラークをコントロールしても再び細菌が増殖することになるからです。歯周ポケットを減少させるためには、もともと付着していた歯茎(歯肉)と歯の根の部分(歯根)の表面とを再結合させることが重要です。そのためには前述したように徹底した細菌のコントロールを行い、その後に細菌により汚染された歯根の表面を健康な状態に近くまで戻す操作(ルートプレーニング)を行います。さらに、必要であれば炎症のみられるポケットの中の歯肉を除去します(歯肉掻爬)。これらの処置が成功すれば一度剥がれた歯肉が再度歯根の表面に付着して歯周ポケットが2ミリ以下になることが期待されます。患者さんの歯ブラシによるプラ−クコントロ ールと歯科医が行うこれらの処置が適切に行われたときに、初めて歯周炎は改善します。患者さんと歯科医師、歯科衛生士さんとの協力、信頼関係が極めて重要な事が御理解いただけたと思います。

 

野口俊英

目で見えない歯周ポケットの中の細菌はどのようにしてコントロールするのですか? 2015.08.02

前回述べましたように、目で見えない歯周ポケットの中の細菌(歯肉縁下プラーク)は患者さん自身が歯ブラシなどで除去するのは困難です。このため、歯肉縁下プラークの除去は歯科医院で行うことになります。歯肉縁下プラークのコントロールは以下の二つに分けられます。

1.化学的方法によるもの

プラークが生きた細菌の集団であることを考えれば、細菌に対して有効性を示す抗菌剤(抗生物質)を歯周ポケットの中に入れればよいということになります。ただし、ポケットの中に注入された薬がそこに長く留 まり、ゆっくり放出される必要(徐放性)があります。このため、多くの研究者や企業が研究を重ね、現在では商品化され臨床に使われています。商品名はペリオクリンとペリオフィールです。この薬品を注射器のような先端の細い用具に入れ、歯周ポケットの中に押し込みます。押し込まれた薬剤が時間をかけて徐々に溶けだすことにより細菌をコトロールします。

2.機械的(物理的)方法によるもの

この方法は歯科医や歯科衛生士がスケーラーという歯石をとる道具を使って歯周ポケットの中のプラークを掻きだします。ただし、目で見えない深い歯周ポケットの中ではこれらの操作はかなりの熟練を要します。

これらの方法が成功すれば歯周炎はかなり改善されますが、その後は歯周ポ ケットを2ミリ以下にするための多くの処置を行うことになります。

 

野口俊英

歯周炎でみられる歯肉縁下プラークにはどのように対応すればよいのですか? 2015.07.26

これまで述べてきましたように、歯周炎では歯肉炎と違い歯茎(歯肉)が歯の表面から剥がれてできる深い歯周ポケットの中に、多くの空気を嫌う細菌(嫌気性菌)が住みつきます。これらの細菌を歯ブラシだけで取り除くことは出来ません。それでは患者さんは何をすれば良いのでしょうか?まず第一に 行うべきことは、歯周ポケットのなかにいる細菌の数を増やさないようにすることです。そのためには歯肉炎の時と同じように歯の表面に付着した目で見ることの出来るプラーク(歯肉縁上プラーク)を徹底的に取り除き、これらの細菌が歯周ポケットに侵入するのを防ぎます。具体的には歯ブラシの毛先がポケットの中に入っていきやすいバス法が推奨されます。しかし、このバス法でも歯ブラシの毛先が歯周ポケットの中に入る深さには限界があり(2〜3ミリ程度)、歯ブラシの選択やブラッシング法も難しいので歯科医や歯科衛生士の指導をうけることをお奨めします。毛先の硬い歯ブラシで自己流でゴシゴシ磨きますと歯茎が傷つき、退縮します。しかし、このような患者さんだけの努力では歯周ポケット 中の歯肉縁下プラークを完全に除去することは困難ですので、後は歯科医や歯科衛生士さんに除去してもらうことになります。具体的な事については次回、説明いたします。

 

野口俊英

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