前回までの話で歯周病と糖尿病とに共通する悪玉としてサイトカイン(生理活性物質)の一種であるTNF-αが存在することを示唆しました。
そして、糖尿病の程度を表す一つの指 標であるHbA1c(グリコヘモグロビン)とTNF-αとは強い相関があることも報告されています。すなわち、両方の病気はTNF-αを介して影響を及ぼしあっていることが推察されます。このことは歯周病が改善されれば糖尿病も改善される可能性があり、逆に糖尿病の改善は歯周病の恢復に良い影響を与える可能性があると思われます。このような観点から両疾患は双方向性を有していると言われます。
野口俊英