前回の動物実験の結果で糖尿病を起こしやすいラットでは歯周炎により、歯周組織の中 心をなす歯槽骨の吸収が進行しやすいことを述べました。
その原因の一つが歯周組織に産生されたTNF-αであることは述べましたが、我々はその他のメカニズムとし て組織の細胞を直接傷害するNO(一酸化チッソ)に注目し、歯周炎を惹起させた糖尿病ラットの歯周組織に炎症性サイトカインの一種であるiNOS(inducible nitric oxide synthese)のm-RNAが過剰発現していることを確認しました。その詳細につきましては次回述べます。
野口俊英