歯周病と糖尿病とが強い関連性を有していることをこれまでは主に臨床的な観点から見てきましたが、今回からは基礎的な研究によって明らかになった 両者の関連性を紹介させて頂きます。糖尿病の発症にはいろいろな原因がありますが、この度は2型糖尿病の患者さんに多くみられるインスリン抵抗性に注目して述べてみます。インスリン抵抗性とは、血中のインスリン濃度に必要なインスリン作用が得られない状態であり、肝臓、骨格筋、脂肪組織などの臓器でインスリンが存在するにも関わらず、その作用が十分に発揮されないこと、すなわち糖の処理能力が落ちているということです。次回からはこのインスリン抵抗性を介しての糖尿病と歯周病との関連性について述べてみます。