前回は歯ブラシの正しい使用法について述べましたが、ハブラシで除去できるプラーク(歯垢)は歯の表側(唇や頬に向いた面)と裏側(舌に向いた面)、および物を噛む面だけです。残念ながら歯と歯の間(歯間部)までは歯ブラシの毛先が届かないためプラークを除去することは困難です。歯間部の歯茎は構造的に弱い部分(コル)なのでプラークが除去出来ないとすぐに炎症がおきてしまい、腫れたり(腫脹)、出血したり、赤くなったり(発赤)します。このため、歯間部のプラークを除去するための道具が開発されプラ ーク除去効果が確認されています。
デンタルフロスは特殊加工された糸であり、歯と歯の間の隙間が狭い場合に使います。歯と歯の間に親指と人さし指で両端を挟んだフロスをゆっくりと
入れていき、歯の表面に付着したプラークをこすり取ります。このとき、歯茎(歯肉)を傷つけない事が大切です。
歯間ブラシは歯と歯の間が広く開いてしまった場合に用います。歯と歯の間にゆっくり歯間ブラシを入れ、フロスと同様にプラークをこすり取ります。おもて側とうら側の両方から入れることが重要です。
デンタルフロスも歯間ブラシも使い方が難しいことが多いので歯科医や歯科衛生士に正しい使用法を教えてもらってください。欧米ではこれらの歯間部清掃用具の普及が著しく 、多くの人々が使用していますが、その理由は歯間部の歯茎を守ることの重要性を熟知しているからだと思います。
自分自身の歯を守るため、ぜひ毎日の歯磨きのなかに取り入れて下さい!
野口俊英