前回、歯周病は大きく三つのタイプに分けられるという話をしました。すなわち、歯肉炎、歯周炎そして咬合性外傷です。今回はこの内の歯肉炎(gingivitis)について述べてみたいと思います。
歯肉炎は四つある歯周組織のなかの一つである歯肉(歯茎)にのみ病気が見られる状態であり、単純性歯肉炎、潰瘍性歯肉炎、肥大性歯肉炎そして薬物性歯肉炎などが あります。この中で最も多く見られるのが単純性歯肉炎であり、その原因は歯の表面にしっかり付着したデンタルプラーク(歯垢)です。歯肉炎では病気が歯槽骨、歯根膜そしてセメント質などの他の歯周組織に及んでいない歯周病の初期の段階であり、原因であるデンタルプラークが十分に除去出来れば元の健康な状態に戻ることが可能です。
歯肉炎の症状、原因などについては次回以降詳しく述べます。