これまで述べてきましたように、歯磨剤は歯ブラシの植毛部に付着させてブラッシングの効果を高めるために用います。洗口剤はブラッシングは行わず、含嗽(うがい)時にのみ使用します。一方、液体歯磨剤は液体を口に含んだまま同時に歯磨きを行います。近年では洗口剤や液体歯磨剤 の使用が増大していますが、それは口腔衛生思想の高まりや、歯周病と全身疾患との関わる研究の進展、さらに、高齢者に多い口腔乾燥症への対応などによるものと思われます。洗口剤や液体歯磨剤に含まれる薬剤成分はこれまで述べてきた歯磨剤に含まれるものと類似したものが多いようです。
野口俊英