前回は歯周外科の再生療法に用いる非吸収性メンブレンについて述べました。歯周外科再生療法の初期の時代は非吸収性メンブレンしか無く、良く用いられていました。しかし、手術の術式が複雑であることと、2回手術を行わなければならないということから、販売が中止と なり現在では吸収性メンブレンが主に用いられています。吸収性メンブレンの最大の利点は手術後、メンブレンが吸収するので手術が1回ですむことです。欠点としてはメンブレンが吸収される時期を確認出来ないことと、非吸収性メンブレンのように再生される予定の組織を直視し得ないことです。しかしながら、非吸収性メンブレンと吸収性メンブレンとの両者を比較した研究ではその効果に差が無いことが明らかにされています。
野口俊英