本講座で以前にも述べましたように、全部の歯の表面から生きた細菌の集団(デンタルプラーク)を取り除き、虫歯や歯周病を防ぐには現在のところ、主として物理的な方法である歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどに頼らざるを得ません。しかしなが ら、これらの道具を毎日、毎食後、正しく使いこなしプラークを除去するにはかなりの時間と修練が必要です。
このため、多くの人々は薬のようなもの(化学的方法)だけでプラークを除去出来ればと期待していると思います。実際、歯科関係者の方々もこれらの課題に立ち向かい、懸命の努力を重ねています。そこで、次回からはプラークを化学的に除去するための現状とその応用および展望について述べます。
野口俊英