前回まではデンタルプラーク(歯垢)のなかの歯肉縁上プラークが歯肉炎の最大の原因であることを何度も述べてきました。今回はそのプラークを効率的に取り除き歯茎(歯肉)を健康に するための正しい知識について述べます。
プラーク除去の基本は適切な歯磨きです。正しい歯磨きの方法を獲得しなければ歯の表面に付着したプラーク完全に除去することは困難です。歯ブラシを口の中に入れて動かしているだけでプラークは除去できると思っていないでしょうか?前回、述べましたように歯の形は基本的には円柱状です。ですから、これらの歯の全周から完全にプラークを除去するためにはいくつかの条件が必要となります。
1.道具の選択
歯磨きに必要な道具は歯ブラシだけではありません。円柱状をした歯の全部の面からプラークを除去するには歯と歯の間に用いるデンタルフロス(特殊加工した糸)や歯間ブラシなどの歯間部清掃用具が必要となります。
2 .歯ブラシや歯間部清掃道具の正しい使用法
これらの方法は自己流でやりますと歯が削れたり、歯茎を傷めたりします。歯科医や歯科衛生士などのプロに習うことをお奨めします。
3.歯磨き剤の選択
歯磨き剤は基本成分としての研磨剤が中心ですがそれが含まれるものと含まれないものとがあり、さらに、ムシ歯(う蝕)や歯周病予防のための薬用成分、さらには知覚過敏を防ぐための成分などを含むものもあります。
次回はこれらの項目について述べます。
野口俊英