バイオフィルムという言葉(term)は歯科界だけでなく多くの分野で用いられています。その実体は微生物の集団がフ ィルム状を形成して、いろいろな物質の表面に付着し、敵からの攻撃を避けることを最大の目的にしています。歯科以外の分野では工業用のパイプラインや浴室の排水管など、微生物が存在する場所で見られます。デンタルプラーク(歯垢)は歯の表面に生きた細菌が強固に付着した代表的なバイオフィルムであり、洗口剤などによる攻撃を受けにくい構造になっています。このようなデンタルバイオフィルムの詳細やその除去法などにつきましては次回以降に述べます。
野口俊英